DigitalAsset社DamlベースのASXが大失敗(オーストラリア)
DigitalAssets社は、ニューヨークに本拠を置くDaml(デジタルアセットモデリング言語)による高品質な実装を提供するベンチャー企業です。
DigitalAsset社DamlベースのASXが大失敗
オーストラリアの株式市場で証券取引システムを管理しているASXは、2016年よりDigitalAsset社の株式を取得し、2017年より正式にDamlベースの次世代型取引インフラの構築を進めてきました。
しかし、2022年11月17日に公表した、アクセンチュアによるレビューによると、ASX-DigitalAssetによる納品計画は「大幅な設計変更とリファクタリング」により「リスクが高く、信頼度が低い」と酷評されました。
ーつまり、大失敗です
DigitalAsset側は、ASXの管理に問題があると主張しており、いずれにせよ、Damlベースの次世代型取引インフラの開発は大失敗に終わりました。
いちばんの原因は、開発要件に一貫性がなく、2020年にシステムの範囲が変更されたことにあると言われています。
ーオーストラリアCHESSの移行は大失敗
アクセンチュアの見解では、分散アーキテクチャでは遅延とスケーラビリティに問題があり、ビジネスワークフロー全体にDamlを使用することが疑問視されました。
ビジネスワークフローの多くは元帳外で実装できる可能性があり、構造を改善して再設計される可能性があります。
DigitalAsset社はすでに多くの金融インフラを置き換えている
ASXの開発ではおおきく計画が遅延しているDigitalAsset社ですが、ゴールドマン・サックスのデジタル資産管理プラットフォームや、
巨大金融テクノロジー企業であるブロードブリッジ社など、DigitalAsset社の技術を活用してすでに多くの成功をおさめています。
ーDigitalAsset社自体は成功しています
DigitalAsset社は、ドイツ取引所のD7で成功
いっぽうで、DigitalAsset社はドイツ取引所のデジタル証券ポストトレードプラットフォームを2021年に成功裏に立ち上げており、デジタルネイティブな証券の発行に成功しています。
- フェーズ1:デジタルネイティブ証券の発行(成功)
- フェーズ2:スマートコントラクトの使用(現在)
- フェーズ3:ブロックチェーンベース(まだ)
DigitalAsset社のD7はDamlスマートコントラクトを使用し、BNPパリバ、シティ、デカバンク、ドイツ銀行、DWP銀行、DZ銀行、ゴールドマン・サックス、ライファイゼン銀行、フォントベル、など。
デジタルネイティブな電子証券を同期することができます。
ドイツでは、デジタルネイティブな電子証券をサポートするeWpG法案が可決され、ブロックチェーンベースの暗号証券がサポートされています。
DigitalAsset社は、CantonNetworkを立ち上げ
ブロックチェーンの1つの目的は、サイロ化されたネットワークを繋ぎ合わせることでした。
DigitalAsset社のブロックチェーンでは、金融機関の相互運用性を可能にする「CantonNetwork」を立ち上げました。
つまり、金融機関が運用しているDamlベースの分散元帳を相互につなぎ合わせることができるネットワークです。
R3 CordaのCordaNetworkのようなものです。
- エンタープライズブロックチェーンでは、SETLがPORTLプラットフォームを公開
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