【仕組みと実例】
フェデレーションサイドチェーンとは何か?
このーページでは、シンプルに…、
フェデレーションサイドチェーンとは何か?
その仕組みと実例
について、わかるように解説をおこないます。
Federation=連邦制 のこと
Federationとはより小さな内政で独立した州がグループになり、中央政府をもっている状態のこと(=連邦制)という意味です。
ブロックチェーンに置き換えて考えると、より小さな内政(サイドチェーン元帳)とベースレイヤーとしての中央政府(メインチェーン元帳)という考え方になります。
つまり…、
- ①中央のメインチェーン元帳 = ベースレイヤーとして、中央の相互運用性ハブをになう
- ②サイドチェーン元帳 = 独立したトランザクション検証をおこなう
このように、中央のメインチェーン元帳がそれぞれのサイドチェーンと相互にデジタル資産の検証機能を保ちつつ、
サイドチェーン元帳ではそれぞれ独自にトランザクションの検証をおこなうことができます。
これが…、
フェデレーション(連邦制)
サイドチェーンです。
このページで、さらにわかりやすく解説をおこないます。
▼このページで解説する内容
- フェデレーションサイドチェーンとは何か?
- フェデレーションサイドチェーンの実例・具体例
- フェデレーションサイドチェーンの仕組み
- フェデレーションサイドチェーンのメリット・何ができるのか?
- フェデレーションサイドチェーンの歴史
- XRP元帳フェデレーションサイドチェーンでできること
▼このページを書いた人
たまき よしひこ/投資家
人生攻略.com代表の「たまき」です。
不動産投資のRENOSYにより毎月50万円の不労所得を実現しました!趣味のブログを更新中です。
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フェデレーションサイドチェーンとは何か?
この記事の冒頭でも解説したとおり…、
Federation = 連邦制 のこと
『メインチェーン元帳』
- 中央の検証機能をになう、メインチェーン
『サイドチェーン元帳』
- メインチェーン元帳と、相互にシームレスにデジタル資産を移動できる
- メインチェーン元帳とは独立した、検証機能(バリデーター)を持つ
- 独自資産・独自機能を、もつことができる
このように、フェデレーションサイドチェーンは、メインチェーン元帳とは独立して検証することができ、さらに『独自資産・独自機能』を実装することができるサイドチェーン元帳です。
フェデレーションサイドチェーンでは、マルチ署名アカウントを制御した”双方向ペグ”により、相互に資産をやり取りすることができます。
このような実装が考えられます。
フェデレーションサイドチェーンの実例・具体例
フェデレーションサイドチェーンの実例・具体例としては、Blockstream社の【Liquid】があります。
フェデレーションサイドチェーンの実例
Blockstream:Liquid
通常のビットコイン・メインチェーン元帳では、取引の検証に平均でも約10分の時間がかかりますが、これはかなり不便です。
Blockstream社が開発した「トレーダー・取引所向けの決済ネットワーク:Liquid」では、2分以内でBTCを安全に決済することができます。
Liquidフェデレーション参加企業
このように、多くの暗号資産取引所・クリプト企業がLiquidフェデレーションに参加しています。
フェデレーションサイドチェーン元帳の検証システム(バリデーション方式)は自由に設定することができます。
これにより、お互いに信頼していないエンティティ同士でも安全に取引の検証をおこなうことができます。
フェデレーションサイドチェーンの仕組み
フェデレーションサイドチェーンの仕組みの技術的な解説としては、つぎのとおりです。
フェデレーションサイドチェーンの
仕組み/技術的な解説:
- ①マルチシグウォレットにより、元帳上の資産の相互運用をおこないます
- ②『メイン元帳』と『サイドチェーン元帳』のそれぞれに、デジタル資産を相互に移動するための”ドアアカウント”が用意されています
- ③『フェデレーター』が、メイン元帳とサイドチェーン元帳の『マルチ署名』を使用して、両方のネットワークのドアアカウントを制御します。
- ④『ドアアカウント』がトランザクションを受信すると、フェデレーターはもう一方の元帳上で”ミラートランザクション”を作成します。
- ⑤フェデレーターの80%以上がトランザクションに署名すると、それぞれのドアアカウント(マルチシグウォレット)でトランザクションが送信されます。
このように、フェデレーションサイドチェーンでは、
フェデレーターとドアアカウント:
『フェデレーター』
- それぞれの元帳上の『ドアアカウント』を制御し、80%のマルチ署名により”ミラートランザクション”を作成する。
『ドアアカウント』
- メイン元帳・サイドチェーン元帳にそれぞれ用意され、80%以上のフェデレーターの合意でトランザクションを作成する『マルチ署名ウォレット』。
この2つの機能により、
シームレスに元帳上資産を移動できる:
- ①メイン元帳上の資産を、サイドチェーン元帳に移動する
- ②サイドチェーン元帳上の資産を、メイン元帳上に移動する
この2つができるようになる仕組みです。
このように、
ちなみに…、
各サイドチェーンは、独自のサーバーセット・バリデーターにより実行され、メイン元帳のバリデーターに依存することはありません。
フェデレーションサイドチェーンのメリット、何ができるのか?
フェデレーションサイドチェーン実装のメリット、何ができるのか?としては、つぎのとおりです。
フェデレーションサイドチェーンのメリット
何ができるのか?
- ①メインチェーン元帳上資産を、サイドチェーン上で取引する
- ②イーサリアム仮想マシン(EVM)などの、スマートコントラクト機能レイヤーを、メインチェーンに追加する
- ③独自アルゴリズムによる、ステーブルコインの作成
- ④メインネットの分散取引所(DEX)で資産を取引できる、許可制のプライベート元帳を構築する
このように、フェデレーションサイドチェーンにより
- メインチェーンの機能を強化できる(高速化・秘匿トランザクション・スマートコントラクト)
- 目的に応じて、ベースレイヤーの資産をサイドチェーン上で高速に取引できる
フェデレーションサイドチェーンは、独自のコンセンサスアルゴリズムとトランザクションタイプ、およびルールを備えた独立した元帳です。
両方のチェーン上で『ドアアカウント』を制御する『フェデレーター』により、相互にデジタル資産が送信できるしくみです。
フェデレーションサイドチェーンの歴史
フェデレーションサイドチェーンの歴史としては、つぎのとおりです。
フェデレーションサイドチェーンの歴史:
- 2013年2月、「フィデリティボンドバンク」と呼ばれる、サイドチェーンの概念を、PeterTodd(ビットコインコア開発者)が紹介
- 2014年10月、「ペグサイドチェーンによるブロックチェーンイノベーションの実現」という25ページの研究論文が、9人のビットコインコア開発者により作成される
- 2018年秋10月、Blockstream社はLiquidフェデレーションサイドチェーンを立ち上げました
- 2021年1月、Ripple社は、XRP元帳フェデレーションサイドチェーンの実装を示唆しました
このように、フェデレーションサイドチェーンは2013年にその概念が示され、2018年~現在にかけて実装がおこなわれています。
XRP元帳フェデレーションサイドチェーンでできること
XRP元帳には、2022年H1にフェデレーションサイドチェーンの実装が計画されています。
XRP元帳フェデレーションサイドチェーンでできることとしては、つぎのとおりです。
XRP元帳フェデレーション
サイドチェーンでできること:
- ①XRPのサイドチェーン取引(秘匿化・高速化 など)
- ②CBDCプライベート元帳の実装
- ③XRP元帳スマコンレイヤーの追加(DeFi)
- ④あらゆるデジタル資産トークンの発行(NFTを含む)
このように、XRP元帳にフェデレーションサイドチェーンが実装されることにより、
メインチェーンの決済機能を損なうことなく、追加の元帳機能を拡張することができます。
フェデレーションサイドチェーン:まとめ
このページで解説してきたとおり、フェデレーションサイドチェーンとは…、
フェデレーションサイドチェーンとは?
- ①独自のバリデーターセットを持ち、メインネットのバリデーションに依存しない
- ②『ドアアカウント(マルチ署名アカウント)』として両方のチェーン上に持ち、資産を双方向ペグで送信できる
- ③『フェデレーター』が、双方向ペグのトランザクションを制御している
このような仕組みにより、メインネットのベースレイヤーを超えて、サイドチェーンと呼ばれる別の元帳上で資産を相互にやり取りすることができます。
- サイドチェーン上の資産は、自由にメイン元帳に移動できる
- メイン元帳上の資産は、自由にサイドチェーンに移動できる
これが、フェデレーション(連邦制)サイドチェーンの仕組みになります。
▼このページを書いた人
たまき よしひこ/投資家
人生攻略.com代表の「たまき」です。
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